2008年5月5日月曜日

アートファン百人 にぎわうセッション



        
 何かと注目されオープンした十和田現代美術館だが熱心なファンから密かに楽しみにされていたのが「アートセッション」だった。四月二十六日午後三時開始の十五分前に七十席はすでに埋まり、後部や両サイドは立ち見状態に。入室をあきらめる人も出る中、約百人の熱気を飲み込みセッションは始まった。
 特任館長の小林央子さんが出演者を紹介するのだが英語も日本語も歯切れが良くきれいだ。正面右手から順にハンス・オプ・デ・ビーク(男性)、マリールノイデッカー(女性)、椿昇の三作家。続いて作品選定の南條史生、小池一子、設計の西沢立衛の六氏だ。

 作品固定型だから
 環境にやさしい!
南條氏(森美術館館長)
この館の特徴は一人の作家に一つの場所を提供した点にある。野外彫刻がそこに置いてあってその作品にハコをかぶせたとも見える。官庁街の空き地をアートで飾りたいという市長の発想はユニークで、空き地を守るという意味で新しい文化だ。屋内と屋外の組み合わせは発展性があり、展示物を変えなくて良い据え付け型は環境にも優しい。

開放間ある空間
外と中が一体に
西沢氏(建築家)
建築的なコンセプトで言えば、街全体を文化的景観に変えて行きたいという都市側の事情と、作家の個性を生かすという作品側の事情を、うまく融合させることが出来た。棟を分け廊下でつないだ都市空間の中の広い庭は、透明感があり美術館を開放的にしている。外を通りながら中を体感できるし、中にいても外の美しさを楽しめる。

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