レーザーレーサー水着に日本中が右往左往
しているのを見て、なぜ国産化できないのか
不思議に思った。体を締め付け体積を小さく
流線型にする、縫い目をなくし超音波で接着
する…と原理は分かっていた。だがミズノ、
デサント、アシックスと超一流の企業が揃っ
ていたのに出来なかった。
出来そうで出来ない話として忘れられない
のが「もんじゅ」だ。プルトニウムを燃やし
てもそれ以上にプルトニウムが出来るという
夢の原子炉だが、九十五年に温度計ひとつで
つまづき大爆発を起こした。西洋の国々は技
術的な壁から開発を断念していたが、ニッポ
ンは自信をもって取り組み、その結果挫折した。
身近なことでは使用済み核燃料再処理だ。
商業運転している英国や仏国からちゃんと学
んだはずなのに、肝心なガラス固化体づくり
に四苦八苦で仮免どころではない。しかも換
気扇が止まったりIAEAの封印を破ったり
と、信用は一向に積み重ならない。
水着の開発競争は平和な世界の産物だが、
原子力分野でのミスリードは地球の命にかか
わる。何十万年も昔の活断層はしょせん分か
らないことだし、放射能の管理も人の手には
負えないのだ。出来ないこと…分からないこ
とを正直に認め、それでも進むという覚悟が
あるのか国民が自問する時期にきている。
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