2008年7月4日金曜日

飽きもせず 懲りもせず 躓きを繰り替えす人々



ニッポンの技術 日本原燃が過信

 「一度や二度つまづいても気落ちするな」
とは悲嘆に暮れる人を激励するときに使う。
だが日本原燃の社長が自らを鼓舞するために
使うのは、ちょっと変じゃないか。協力会社
六十社、六百五十人と四日に開いた「安全大
会」での発言だ。

 日本原燃はさまざまの原子力関連事業を行
う、六ヶ所村の巨大工場だ。放射性物質を扱
うから万が一にも事故は許されない。それな
のに五年前の使用済み核燃料貯蔵プールの漏
水問題以来、トラブルや不祥事があとを絶た
ない。不都合な真実に報道で接し、当初発し
ていた「エッ」が今では「またか」だ。

 兒島社長は「力を合わせれば大きな岩でも
排除できる」とも言った。なるほど再処理事
業が軌道に乗っているフランスから技術者を
大勢招き指導を受けてきたのは、世界の力を
合わせるという狙いなのだろう。ならばつま
づく前に危険を避けられる筈ではないか。

 使用済み核燃料の再処理ではガラス固化体
づくりが難関だが、実は日本原燃は固化体づ
くりを、フランス式じゃなくニッポン式でや
ろうとしている。だからフランス技術者の多
くは既に帰国した。今回のもたつきを見てい
ると「国産技術の過信」ではないかと危惧す
る。現場に携わる作業員とその家族は不安で
たまらないだろう。

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